今でも本屋さんに売っていますが、昔作った喫茶店の本でも、外観だけ撮影したことのある喫茶店でした。
そのときに外観だけだったというのがずっと頭の片隅に引っ掛かっていて、今回の本では迷わずリスト入り、しっかりと取材させていただきました。
下北沢では、町・駅前の再開発によって50年以上営業を続けたジャズ喫茶マサコが閉店し、どんどん新しいカフェができていく中で、静かにしっかり生き残っている居心地のよい喫茶店だと思います。
いつも、取材はもうお任せで、記事も適当に書いてーと言ってしまうという寡黙なマスター。
けれど、しっかり話を聞いたら、20歳で世界を旅行してきた話、そこで見てきたもの、その経験から築き上げた「うえにはうえがいる、だから無理して背伸びしたって仕方ない、マイペースでいこう」という価値観など、多くのことを聞かせてくれました。
またそんなマスターの物の考え方が、店のいい雰囲気を作っていることもわかった気がします。
近年の下北沢は、韓国のマーケットみたいにごちゃごちゃしてしまったなぁという印象ですが、のんびりコーヒー飲みたいとき、ぜひおすすめします。
私もときどき顔を出して、濃いコーヒーを飲んで、マスターとちょっと話して、マサコがなくなって非常に悲しんでいましたが、まだまだ下北沢を好きでいられそうです。
珈琲 バロン(早稲田)-01につづく