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古巻力さんが店を始めたのは1971年のこと。 ・・・ 古巻さんはコーヒーなんて、脇役中の脇役だよという。 「例えばある方が缶コーヒーでもマクドナルドさんのコーヒーでも何でもいいです、飲んだ時にたまたまモテたと。そうしたらそれがとびきり美味しいコーヒーになると思うんです。全く逆のことも起こりえる。例えば僕らがこれまでに一番美味しいコーヒーを出したと思っても、その人が競馬新聞を見ながらその場で外れたりしたら、もうあんなところへ行くものか、こんなに苦いコーヒーはないって感じて二度と店へは来てくれないかもしれない。その人が置かれている状態の中で、たまたま何かとの間にあるのがコーヒーなんです」 店は代々木駅から数分のところにあり、二階建ての一軒家だ。一階は比較的照明を落とした木造りの、壁に体が触れていると落ち着くといった系統の人に好まれそうな空間だが、二階は二面が窓で大きめのテーブルと座席も多く開放的な雰囲気。一階も二階も異なった趣の、大変美しい空間だ。 向かいにはマクドナルドの現存する国内一号店がある。 「向かいのマクドナルドさんも今、新宿にあったらきっと常に満席ですよ。レトロな内装で。ところが代々木にあるから空席が見えるんで。つまり代々木はそういう場所なんです。いつの間にかいい場所じゃなくなっちゃったんです。そこに小学校がありますけど、6学年合わせて100人しかいないんです。夕方になると皆さんよその町へ帰ってしまうんです。だから夜は商売にならないし、日曜・祝日、全部商売にならない場所になってしまったんです。 ・・・ 「・・・怠け者だから37年も同じことをできたんじゃないかな。 東京っていうところは、僕らみたいなダメな奴から素晴らしい人までいっぱいいて、それが面白いです。 随分これまで沢山の大学生が働いてくれましたが、若い人はそれぞれに楽しくて、自分が何回生まれ変わっても敵わないような本当に立派な人格に触れたりもしました。 若い人でも素晴らしい人って沢山います。一方で、勤勉でない日本人、自分の価値も見えず、人の価値さえ見えていない人も増えている。 1971年からアルバイトには学生さんを雇ってきたんです、だから下手な大学教授よりも学生たちと接している時間と中身は濃いと思います。何百人っていう人を見てきました。それで思うことは、本当に人間って言うのは面白いということです」 そう言って古巻さんは笑った。 古巻さんがぽつりぽつりと話してくれたことは、納得のいくものが多かった。家賃を毎月払って喫茶店を経営することが、今の時代ではいかに大変なことなのかということをこの店に限らず取材を通して感じる場面も多かった。 ただ、怠け者だから37年続けられたという言葉にだけは頷くことができない。 怠け者のやる店が、こんなにも美しく、コーヒーが美味しいということがあるように私には思えない。 毎日同じ時間に店を開け、同じように美味しいコーヒー淹れること。それは怠け者には決して成し得ない、大変なことなのではないかと私は思っている。 毎日顔を出すことのできない者がこういうことを思うのはただの自分勝手なのは承知だが、その消えそうなともしびを一日でも長く灯し続けてほしい、いつまでも残ってほしい、そう願わずにはいられない。 (単行本『東京ノスタルジック喫茶店』河出書房新社刊、より一部引用。) 珈琲 TOM(代々木)-02につづく
by makishiozawa
| 2009-10-16 09:06
| 東京ノスタルジック喫茶店
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